第4回:「課金」の本来の意味って?

おそらく2010年以降のスマホブームから

電車内やスタバ内などでポチポチとスマホゲームアプリをすることが一般化したことで

広く使われるようになった、この言葉。

(この「ポチポチ」という擬音もどうかと笑)

 

まずは無料でスマホゲームアプリをダウンロードし、

より楽しむため、あるいは時間を節約するためにお金を投じ、キャラを強化したりランキングの上位に食い込ませたりする。

 

そう、「このお金を投じる」という行為

別の言い方で言えば、「入金」「(追加)給金」など。

(「投金」はないんだな~。)

 

ちょっと待てよ、どうして我々ユーザーはこれらの言葉を使わない?

 

 

そもそも、「課金」を分解すると

「課」+「金」→「金」を「課」す

 

「課す」は、(先生)→〈宿題〉→(学生)

の関係。

つまり、出す、払わせる、側の言葉ですね。

 

 

なので、「課金アイテム」は、

「このアイテムをゲットするためにはお金を払わせますよ」

という運営目線の用語であり、

 

ユーザー目線で

課金して、強くなる。

あのアプリに2万も課金するなんてお金の無駄。

 

という表現は、厳密には間違っているんですね~。

 

 

ただ、言葉の特異性として、

厳密には間違っていても、揺れだして、市民権を得、多数になることで、誤用が本来の使い方に変わっていくこと。

 

はよくあるし、

そもそもロジックとしておかしい、なんてことは日常茶飯事。

 

これが数学(数式)と国語(言語)の決定的な違いと言ってもいいですね。

 

 

そもそも「課金」だって

本来の文法ロジックになぞらえれば、「金」を「課」すだから、

「金課」

ですもんね。

 

こういった漢語はすべて、当然中国語文法に基づく【V+O】ロジックになっています。

 

こういう非ロジカルな表現は

クリーンな政治家 → クリーン政治家?(形容詞の「な」かぶり)

昨日髪切ったの~。 → え、自分で切ったの?(切ってもらった)

まるでカモシカのような足 → まるで「カモシカの足」のような足(「カモシカのような足」ではぐにゃぐにゃじゃん)

 

などと、言い出したらキリがない。

 

その許容を楽しめるか、どうやってロジカル偏屈野郎に説明するか、

も外国語教師に求められる器量でしょうか。

 

 

あ、ちなみに、日本語の数字は、英語よりロジカルだってさ。

なぜなら

日本語:15 = 「じゅうご」= 「じゅう」と「ご」 = 15

英語:15 = “fifteen” = “fif” and “teen” = 51?510?

 

 

この世に、完璧なものなんて、ない。